ワンマンとしては実に3年ぶりとなるSONOMIの赤坂ブリッツ公演。
この日のライブはSONOMIにとって大きなチャレンジであると同時に、さらに上を目指すには絶対に成功させなければならない通過点でもあった。
先に書いてしまうが、アンコール後のMCでSONOMIは、「私の実力だとこんな大きなところではライヴはさせてもらえません」と打ち明けている。
ワンマンとしては実に3年ぶりとなるSONOMIの赤坂ブリッツ公演。
この日のライブはSONOMIにとって大きなチャレンジであると同時に、さらに上を目指すには絶対に成功させなければならない通過点でもあった。
先に書いてしまうが、アンコール後のMCでSONOMIは、「私の実力だとこんな大きなところではライヴはさせてもらえません」と打ち明けている。
マネージャーをはじめ、プロデューサーとしてSONOMIを全力でサポートしてくれるKREVAの後押しがあってこそ実現したのだと。
だからこそプレッシャーも感じていただろう。緊張を隠しきれない場面もあった。
それでもSONOMIは、強い責任感と持ち前のショーマンシップで会場に集まったファンの期待にこたえ、2時間のステージを自分らしいスタイルで完遂させてみせた。
この大きな意味のあったライブ。彼女がこの先歌い続けるかぎり忘れることはないであろう7月15日赤坂ブリッツの模様を以下でレポートする。
ベストアルバム「S.O.N.O.M.I」を引きさげての約3年振りのワンマンライブが決定しました。
SONOMI CONCERT 2013「S.O.N.O.M.I」
【出演】SONOMI、熊井吾郎
【スペシャルゲスト】KREVA
開催日 | 会場 | OPEN / START | 料金 | 一般発売日 | TICKET | お問合せ |
---|---|---|---|---|---|---|
7月12日(金) | 梅田CLUB QUATTRO | 18:00 / 19:00 | 3,800円 (別途ドリンク代500円) | 6月8日(土)10:00 | 【チケットぴあ】 【ローソンチケット】 【CNプレイガイド】 【e+】 | キョードーインフォメーション Tel:06-7732-8888 (12:00~19:00) |
7月15日(月・祝) | 赤坂BLITZ | 17:30 / 18:00 | 3,800円 (別途ドリンク代500円) | 6月8日(土)10:00 | 【チケットぴあ】 【ローソンチケット】 【e+】 | ディスクガレージ Tel:050-5533-0888 (平日 12:00~19:00) |
OFFCIAL GOODS
SONOMI CONCERT GOODS
◆「S.O.N.O.M.I」Tシャツ ¥3,000
Girl's-Mサイズ
着丈:約63cm × 身幅約41cm、袖丈:約14cm、素材:綿100%
◆「S.O.N.O.M.I」Dolman Tシャツ ¥3,300
着丈:約60cm × 裾幅:約55cm、裄丈:約37cm
素材:綿:50%・ポリエステル50%
◆「S.O.N.O.M.I」フェイスタオル ¥1,500
W:34cm × H:80cm、綿:100%
リンゴストラップ ¥1,200
トートバッグ ¥1,500
モノグラムハンカチ(赤・青) ¥1,200
新曲「遠くまで feat. KREVA」「一瞬でも」、代表曲「一人じゃないのよ」「midnight」「SUMMER」などが収録されたDISC1に、
ファン投票をもとにセレクトされたDISC2、新たに再録、Re-mixを行った楽曲などSONOMIの魅力が詰まった全20曲収録!
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ベストアルバムのタイミングで絶対にKREVAさんのトラックでKREVAさんをfeat.に迎えた曲をやりたくてお願いし、実現しました。閉じる
KREVA「ひとりじゃないのよ feat.SONOMI」、ソロの「一人じゃないのよ」を経て、閉じる
メジャーデビュー曲です。閉じる
熊井吾郎からこのトラックを聞かせて貰って、衝撃が走ってすぐにサビが出来ました。閉じる
ベストアルバム収録に当たり、プロデューサーのKREVAさんの意向で、閉じる
色々な資料を見ていると『SONOMI至上最もHAPPYなラブソング』というキャッチを見つけました。閉じる
KREVAさんのツアー中に、同行していたさかいゆう君に「何か面白い曲を作って欲しい!」とお願いして、完成させてくれたのがこの曲。続きを読む・・・閉じる
3rdアルバム『S.O.N.O.M』の隠れミーニング「 I が足りない」から閉じる
セルフプロデュースミニアルバム『 I 』のリード曲。閉じる
以前から90年代テイストの曲を歌ってみたいなって思っていたところに、閉じる
DISC1に収録されている「I miss you」同様、ベストアルバム収録に当たり、プロデューサーのKREVAさんの意向で、閉じる
セルフプロデュースEP『 I 』の2曲目に収録されているこの曲。閉じる
熊井吾郎 Pro.曲。閉じる
初めての熊井吾郎とのトラック共同作。閉じる
このベストアルバムのDISC2を作るにあたり、ファンの皆様に好きな曲を投票して頂き、見事1位に輝いた曲です!!!閉じる
気付くと3~6曲目まで熊井吾郎関連曲ですね。閉じる
歌を始めて3曲目に書いた曲です。閉じる
同じ夢を何度も見る人いますか?閉じる
歌い始めた頃はカバー曲を歌っていましたが、自分の言葉で歌ってみたくなり、閉じる
7~10曲目までKREVAさんPro.曲が続き、この曲は柿崎洋一郎さんにキーボードを弾いて頂きました。続きを読む・・・KREVAにフックアップされる形で彼女の物語が始まったのは、2005年6月だった。KREVA主宰の「くレーベル」第一弾アーティストとしてシングル「一人じゃないのよ」でデビュー。以降、KREVAのライヴにはほぼ毎回帯同し、デビュー当初から何万人単位のオーディエンスの前で歌うチャンスも与えられたその物語は、まさにシンデレラストーリーと呼ぶべきものだった。青森出身の彼女が手にしたのは、音楽に人生を捧げることを誓う赤い実。彼女はその赤い実に自身の名前のアルファベットを一文字ずつ刻みながら作品を重ね、シンガーのアイデンティティを形成していった。こうして、彼女のシンデレラストーリーは、いつしかひとりのシンガーが“完成”するまでのドキュメンタリーになっていった。そして、物語の始まりから、8年。シンガーSONOMIの集大成にして最新曲も収めた2枚組のベスト・アルバム『S.O.N.O.M.I』がここに“完成”した。DISC 1にはシングル曲とリード曲に加え、新曲「遠くまで feat. KREVA」と「一瞬でも」を含む全10曲を収録。DISC 2はファン投票をもとに構成し、新録した「You can see?-2013 ver-」と「赤い光-2013 ver-」、Re-mixした「Hey!-Re-mix 2013-」など全10曲を収録している。さらに、付属のDVDはデビュー・シングル「一人じゃないのよ」から「何とかなる」まで、すべてのミュージック・ビデオを網羅している。
「私の歩みを聴いて、観てもらえるベスト・アルバムになりました。初期の曲を聴くと自分自身では拙さを感じて恥ずかしい面もあるんですけど、その一方で新曲を聴いたときには『私もここまでこれたんだな』という自信に繋がる感慨があって。振り返れば、あっという間でしたが、この8年で声も音楽に対する向き合い方も変わって。とても濃厚な8年間を歩んできたなと思います」
「デビュー当時はとにかく目の前にあるチャンスに食らいついていこう、という野心だけでした」とSONOMIは振り返る。KREVAプロデュースによる制作はかけがえのない学びの連続だった。
「未熟ゆえに制作の知識もなかったので、KREVAさんとの曲作りは部活みたいな感じで、厳しくしごいてもらって(笑)。トラックはどうやってできるのかという基本的なことから始まり、ヴォーカルのアプローチに至るまで様々なことを学びました。一緒に食事をしてもKREVAさんの話から得られることは逃すまいと集中して、ご飯の味を覚えてないなんてこともよくありましたね(笑)。
音楽性のヴィジョンですか? 明確にはなかったですね。なぜかというと、やっぱり昔もいまもKREVAさんから頂くトラックがすごく好きだし、当初からKREVAさんにも『俺とSONOMIはメロディを作る感覚が似ている』と言っていただけたことが大きくて。その言葉を信じてここまでやってきました。それが核にあったからこそ、音楽的なアプローチがどんどん自由になったんだと思います。作品で言うと『S.O.N.O.M』(2010年)が大きな転機になりましたね。『S.O.N.O.M』の制作から私自身も機材を触るようになって曲作りに関わる割合が強くなったし、KREVAさんから歌詞やメロディの修正がほぼなくなったのもあこのアルバムからでした」
その言葉どおり本作に収められている楽曲を時系列に追っていくと、SONOMIの音楽性がどんどんジャンル的な記号性のないものになっているのがわかる。たとえば『S.O.N.O.M』に収録された、6拍子の性急なビートと流麗なワルツが融合する「ミラクルチョコレート」の独創的なポップネスは痛快ですらある。絶対的なバックグラウンドは現場主義のヒップホップとR&Bにあるが、SONOMIのとらわれなき音楽センスは、自由なポップ・ミュージック像を求めるようになった。また、ソングライティングにおけるメイン・テーマとも言えるラヴソングのあり方も、「ただ好きだとか会いたいという気持ちを歌うのではなく、人間の根源的なヒューマニズムに触れられるような曲を書きたいと思うようになった」と語る。その傾向は初のセルフ・プロデュース作となったミニ・アルバム『 I 』(2012年)で浮き彫りになった。そのうえでSONOMIが曲作りにおいて一貫して重んじてきたのは、前述のメロディ・センスと、もうひとつはビートに対するこだわりである。
「やっぱり私はヒップホップのビートこそが最強だと思っていて。ブレイクビーツを作るサンプリングにしても、打ち込みでキックやスネアの音色を選ぶときも妥協が許されないし、徹底的にセンスが問われるんですよね。そういう様々なヒップホップ的なビートの上で、私だからこそ体現できる自由な歌をこれからも追求していきたいと思っています」
新曲「遠くまで feat. KREVA」と「一瞬でも」のトラックは、KREVAが提供した。SONOMIが『 I 』でセルフ・プロデュースを経験した今だからこそ、ネクスト・レベルの“師弟タッグ”を堪能できる。「遠くまで feat. KREVA」は、ダイナミックなブレイクビーツとメロウな上モノを擁するトラックに、センチメンタルな歌心に彩られたSONOMIのヴォーカル、セクシャルなリリックを展開するKREVAのラップが豊潤に溶け合っている。「一瞬でも」はシンセを軸にしたメロディアスなトラックに、ヒューマニスティックな“願い”を込めたバラードだ。
「ファンの方からSONOMI発信のKREVAさんとの曲を聴きたいというリクエストがけっこうありまして。それをやるならこのタイミングしかないと思ってKREVAさんにトラック提供をお願いしました。KREVAさんもベストに入る曲ということで、かなり厳選してくれて。“遠くまで”は絞って、絞って、『ホントはこのトラックは自分用に取っておきたかったんだけどなあ(笑)』とまで言っていたものをいただいたんです。なので、絶対にいい曲にしなきゃと思いましたね。“遠くまで”の歌詞はファンの方たちに対する感謝をラヴソングのスタイルで描いていて。その歌詞をKREVAさんに渡したら、『この歌詞はセックスに通じるものがあるから、自分のラップはそれに見立てて書くわ』というレスポンスがあって。私自身は意図していなかったんですけど、それを聞いて『なるほど!』と思いましたね。私の想像の先を行く解釈とラップのカッコよさは、改めてさすがだなと思いました。
“一瞬でも”は家族を思って書いた曲なんです。いままで家族に対して曲を書いたことがなかったんですけど、去年、父が大きな病気を患ってそのことがきっかけになりました。それと同時に、この曲もファンのみなさんの存在を意識しながら、ライブで歌っている自分の姿を想像して仕上げました。2曲とも早くライヴで歌いたいですね」
ここに自らを“完成”させたその先に、シンガーSONOMIはどんな未来 物語の第2章を見据えているのだろうか? 彼女の言葉で本稿を閉じようと思う。
「私はすごく歩みが遅いので、なかなかファンの方たちの希望に応えられていない部分もあると思うんですけど。、それでも応援してくれるみなさんがいることが私にとっての希望です。その感謝の気持ちを表現するのは作品しかないし、このベストは私の『ありがとう』が詰まっています。このベストでやっと一人前のシンガーになれた気がしますね。新しいことにも積極的に挑戦していきたいと思っています。ただ、どんなときも確実にいい音楽を届けるという意思は見失わずにいたいです」
取材・文/三宅正一(ONBU)